本文中の出典で最もよくある誤りは、参考文献リストとの不一致、引用のページ番号の抜け、誤った句読点(特に MLA のカンマ)、複数の著者の扱いの誤りです。どれも、スタイルガイドが求めるパターンを知れば簡単に直せます。以下では、学生のレポートでいつも見かける12の誤りを、それぞれの修正版とともに紹介します。
例はすべて架空の情報源を使っているので、内容ではなく書式に集中できます。引用の書式は英語のスタイル規則なので、例は英語のまま示します。
小さな出典の誤りが問題になる理由
本文中の出典の役割は1つです。参考文献リストや Works Cited ページの特定の項目を読み手に指し示すことです。その指し示しが壊れていると、読み手はあなたの主張を確認できず、教員はアイデアの出どころをあなたが理解していたのか疑問に思うかもしれません。
ほとんどの誤りは不誠実によるものではありません。APA と MLA の習慣を混ぜたり、古いレポートから書式を写したり、本文を更新せずに直前に参考文献リストを直したりすることから生まれます。それでも減点の対象になりますし、出典の抜けが繰り返されると、盗用でなくても盗用のように見えることがあります。
早見表:APA と MLA の基本
| 要素 | APA 第7版 | MLA 第9版 |
|---|---|---|
| 基本の括弧型 | (Hollis, 2021) | (Hollis) |
| ページつき | (Hollis, 2021, p. 42) | (Hollis 42) |
| 著者2人 | (Hollis & Varga, 2021) | (Hollis and Varga 42) |
| 著者3人以上 | (Hollis et al., 2021) | (Hollis et al. 42) |
| 叙述型 | Hollis (2021) argued... | Hollis argues... (42). |
編集中はこの表を手元に置いておきましょう。以下の誤りの多くは、一方の列の書式をもう一方で使ってしまったものです。
1. 出典が参考文献リストと一致しない
本文では (Tamberlane, 2020) と示しているのに、参考文献リストでは「Tamberlain, R. (2019).」になっているケースです。あるいは、情報源がリストにまったく載っていないこともあります。
直し方: 本文中の出典の名前は、対応する参考文献の項目の最初の語と一致させ、APA では年も一致させます。最後に、すべての出典をリストと照らし合わせ、リストも本文と照らし合わせる見直しをしましょう。使わなくなった情報源の項目は削除すべきだからです。
2. 直接引用のページ番号の抜け
"Most urban gardens fail in their second year, not their first" (Okafor, 2022).
直し方: 引用には位置情報が必要です。
- APA: (Okafor, 2022, p. 118)
- MLA: (Okafor 118)
情報源にページ番号がない場合は、その情報源にあるものを使います。段落番号(APA では para. 6、MLA では par. 6)、節の見出し、音声や動画ならタイムスタンプです。
3. MLA の出典にカンマを入れる
先に APA を学んだ書き手は、MLA でも (Okafor, 118) と書きがちです。
直し方: MLA では、著者とページの間にカンマを入れません。(Okafor 118) です。カンマが入るのは、同じ著者の2つの作品を引用するときの著者と短縮タイトルのように、2つの異なる要素の間だけです。(Okafor, Second Seasons 118)。
4. MLA で「p.」を使う、または APA で省く
直し方: APA では、1ページなら「p.」、範囲なら「pp.」を使います。(Okafor, 2022, pp. 118–119)。MLA では数字だけを使います。(Okafor 118–19)。MLA では範囲の2つ目の数字を短縮できますが、APA では両方を完全に書く点に注意しましょう。
5. アンパサンドと「and」
APA では、2人の著者を括弧内では「&」で、本文中では「and」でつなぎます。
- 正しい:(Lindqvist & Moreau, 2023)
- 正しい:Lindqvist and Moreau (2023) found...
- 誤り:Lindqvist & Moreau (2023) found...
MLA では、どちらの場合も「and」を使います。
6. et al. を使うべきなのに著者を全員並べる
APA 第7版ではこれが簡単になりました。著者が3人以上なら、最初の引用から筆頭著者に「et al.」を付けます。MLA も著者3人以上なら同じです。
直し方: APA では (Ferreira et al., 2020)、MLA では (Ferreira et al. 77) です。「et al.」のピリオドは「al」のあとだけで、「et」のあとには付けない点に注意しましょう。
7. 名や頭文字を入れる
(Daniel Ferreira, 2020)
直し方: 姓だけを使います。唯一の例外は、APA でも MLA でも、異なる筆頭著者が同じ姓の場合です。そのときは区別するために頭文字を加えます。APA なら (A. Ferreira, 2020) と (L. Ferreira, 2018)、MLA なら (A. Ferreira 77) です。
8. ピリオドの位置を間違える
文中に置かれた引用では、出典は最後のピリオドの前に来ます。
"Second seasons decide everything" (Okafor, 2022, p. 120).
ブロック引用(APA では40語以上、MLA では散文で4行を超えるもの)では順序が逆になります。引用はそれ自体のピリオドで終わり、そのあとに出典が続き、出典のあとにはピリオドを付けません。
9. MLA で年を入れる、または APA で年を省く
APA は著者・年方式なので、叙述型も含め毎回年が必要です。Okafor (2022) noted... のようにします。MLA は著者・ページ方式なので、通常、出典に年はまったく入りません。
直し方: レポートに合った方式を選び、それを貫きましょう。書式が混ざった出典は、異なる下書きを寄せ集めたレポートであることを最もはっきり示すサインです。
10. 著者や日付のない情報源の扱いを誤る
「(Anonymous)」や「(n.a.)」と書くのはよくある誤りです。(「Anonymous」を使うのは、作品に実際にそう署名されている場合だけです。)
直し方: 著者がない場合は、タイトルを著者の位置に移します。APA では短縮タイトルと年を使います。("Rising Rents," 2024)。MLA では短縮タイトルを使います。("Rising Rents")。APA で日付がない場合は n.d. と書きます。(Harbor Data Lab, n.d.)。詳しい手順は、著者のない情報源の引用方法のガイドをご覧ください。
引用生成ツールAPA、MLA、Chicago など11. 二次資料しか読んでいないのに元の情報源を示す
Varga の本を読み、その中で Delacroix へのインタビューが引用されていたものの、インタビュー自体は見ていないとします。Delacroix を直接出典として示すと、それを見たことになってしまいます。
直し方:
- APA: (Delacroix, as cited in Varga, 2019)。参考文献リストに載せるのは Varga だけです。
- MLA: (qtd. in Varga 64)。Works Cited に載せるのは Varga だけです。
これは控えめに使いましょう。元の情報源が入手できるなら、見つけて直接引用します。詳しくは引用の中の引用の書き方のガイドで説明しています。
12. 1つの段落で同じ情報源を何度も示しすぎる
文ごとに (Okafor, 2022) を繰り返すと、段落が読みにくくなります。
直し方: APA では、段落内で一度叙述型で情報源を示したら、どの情報源のことかが明確である限り、同じ段落内のその後の叙述型の言及では年を省けます(括弧型の出典では年を残します)。MLA では、新しいページを参照するときや、間に別の情報源が入ったときに再度示します。1つの段落が1つの情報源に大きく頼っているなら、要約が多すぎて分析が少なすぎないか考えてみましょう。
提出前の5分間チェックリスト
下書きの横に参考文献ページを開いて、このリストを確認しましょう。
- 本文中のすべての出典に、同じつづりで対応する参考文献の項目がある。
- 参考文献のすべての項目が、本文中で少なくとも1回示されている。
- すべての直接引用にページ番号などの位置情報がある。
- APA の出典には年が入り、MLA の出典には入っていない。
- MLA では著者とページの間にカンマがない。
- 「&」は APA の括弧内だけで、それ以外はすべて「and」。
- 著者が3人以上なら「et al.」を使っている。
- ピリオドは括弧のあとにある(ブロック引用を除く)。
引用生成ツールは参考文献の項目を整形できますが、本文がそれと一致しているかまでは確認できません。最後のそのステップはあなたの仕事であり、最も多くの問題を見つけられるステップです。
まとめ
- 出典の誤りの多くは、APA と MLA の慣習を混ぜることから生まれます。使うスタイルを決め、それぞれの出典をそのスタイルと照らし合わせましょう。
- 引用には常に位置情報が必要です。ページ、段落、節、タイムスタンプのいずれかです。
- 本文で示す名前は、参考文献リストの項目の最初の語であるべきです。
- 珍しい情報源でルールがはっきりしないときは、推測せず、担当教員の希望やスタイルガイドの最新版を確認しましょう。